旅先で髪を切る
先日京都に旅したとき、フイに髪を切りたくなり、パートナーの友達の友達にひとりで美容室をやっている人がいると聞いていたので、連絡先を教えてもらいました。パートナーの友達のことを信頼しているので、わりと確信があったけれど、「美容室うわのそら」という名前を聞いてなおさら確信が深まりました。宿にしていた「小世界旅社」から自転車で5分もかからない場所にあることが判明したので、さっそくその日に行くことにしました。
外壁は淡いグリーン。中に入るとほっこりしたこげ茶の板の床。ちょっと高くなった一角に、靴をぬいで上がれる畳の間があって、本棚いっぱいの本。全体的にそう広くはない空間だけれど、なにもない「余白」のスペースがたっぷりあって、通りに面した大きな窓からやわらかな光が入っていました。
髪を切ってくれたナツコさんは、大野一雄さんのところに5年(だったかな)いたことがあって、その後ひとり立ちし、最終的に美容師になったという方で、それを聞いてなおさら、あ、この人に切ってもらうならどうなってもいいや、という、妙な安心感を覚えました。
あれこれお話しているうちに、わたしが想定していた分量を上回る量の髪が切り落とされていき、想定していたような髪型とはすこし違う自分が鏡に映っていました。頭が軽くなって、気持ちも軽くなりました。たいてい髪を切った後は、以前の長かったときの自分への未練がすこーし残るのだけれど、今回は、未練ゼロでした。
思えば、わたしの兄も、もうずいぶん前、学生の頃、一緒にヨーロッパを旅してたときに、バルセロナで髪を切りました。「今日は別行動しよう」ということになった日に兄は、英語もスペイン語もおぼつかなかったのに、ひとりでぽっと理髪店に入ったのでした。
あのときのヨーロッパの旅も、今回の京都の旅も、これといった目的や用事のない旅で、どこかエアポケットに入ったような気分だったけれど、日常から離れた、これといった目的意識のない時空間というのは、髪を切るには最適だなーと、改めて思いました。
■美容室うわのそらについての記事がありました(写真つき)http://www.roommarket.jp/koramu_kyoto_shinbun/kyoto_shinbun_koram12.htm
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