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2008.03.07

ひなたぼっこ日和

本日の東京はひなたぼっこ日和です。窓を開け放したら、ねこもさっそくひだまりで丸くなっています。直射日光を浴びるのは気持ちいいね。

ときどき、キンモクセイの木に風がとおって、葉っぱがシャラシャラいっている。。。

ときどき、空のはるか上のほうをヒコーキがとおっていくときの、くぐもった音が。

それでまた、静けさ。小鳥のこえ。

時計の針のすすむ音。

自分がキーボードを打つときの音。

ほかにはなんにも聞こえません。

春が来ているぞ。
この、少しだけ熱を帯びた静けさは、春のもの。

* * *

それで思い出しました、中原中也の、この詩。

お天氣の日の、海の沖は
なんと、あんなに綺麗なんだ!
お天氣の日の、海の沖は、
まるで、金や、銀ではないか

金や銀の沖の波に、
ひかれひかれて、岬の端に
やつて來たれど金や銀は
なほもとほのき、沖で光つた。

岬の端には煉瓦工場が、
工場の庭には煉瓦干されて、
煉瓦干されて赫々してゐた
しかも工場は、音とてなかつた

煉瓦工場に、煙をば据ゑて、
私は暫く煙草を吹かした。
煙草吹かしてぼんやりしてると、
沖の方では波が鳴つてた。

沖の方では波が鳴らうと、
私はかまはずぼんやりしてゐた。
ぼんやりしてると頭も胸も
ポカポカポカポカ暖かだつた

ポカポカポカポカ暖かだつたよ
岬の工場は春の陽をうけ、
煉瓦工場は音とてもなく
裏の木立で鳥が啼いてた

鳥が啼いても煉瓦工場は、
ビクともしないでジツとしてゐた
鳥が啼いても煉瓦工場の、
窓の硝子は陽をうけてゐた

窓の硝子は陽をうけてても
ちつとも暖かさうではなかつた
春のはじめのお天氣の日の
岬の端の煉瓦工場よ!

『在りし日の歌』(1938)収録の「思い出」より抜粋

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