目に見えない風景
学校の退学を決めたあと、大好きだった(き)先生とふたりでご飯を食べた(ふたりきりというのは最初で最後だった)、そのお店が、靴屋さんになっていました。
かつて学校のあったあの町へ、ひさびさに行ったら、いろいろ変わっていた。
あのご飯やさんの近くの、通い猫がいた小さいギャラリー(店主も猫好きだった)も、中をのぞくとがらんどうになってた。
(チョコレート専門店は無事だった。池のある公園も無事だった。駅前の、ここで開店すると「なぜかすぐつぶれる」ジンクスのあった場所にできたカフェは、オープン当初よりもずっと繁盛していてびっくりした)
学校をやめることを決めたのは、ちょうど1年前のあしただったから、町がこれだけ変わったのは、ここ1年のあいだのこと。
町だけでなくて、わたしの心の中も、学校をやめてからのこの1年で、ずいぶん風景が変わった気がする。
今見えている景色は、なかなか言葉にしにくい。
* * *
沖縄に暮らす近藤ヒロミさんという、ムビラ(親指ピアノ)奏者の演奏を最初に聴きに行ったのは、近所のネパール料理店での小さなライヴでした。店主の息子さんが沖縄を旅しているとき、お世話になったとかのご縁で実現したライヴ。
店主から「ぜひ来て~」と言われて、よくわからないままに、じゃあーいきますーと友達を誘ってでかけた。
その最初のライヴのときから、この人、(き)先生とよく似てる、空気感が似てる、と思っていました。
あれ以来、すでに3度、彼女の演奏を聞きにほうぼうへ出向いているのは、彼女が(き)先生と似てるからということもあるけれど、もちろん、彼女の音楽に惹かれるからで、
毎回、聴くたびに不思議な気持ちになります。
この音楽は、どうしてこんなに広いんだろう、すきとおってるんだろう、と不思議になる。
音楽の中に、安心してそこにいられる広い場所があるような感じ。あの場所は、しばらくぶりに行ったらなくなってた、というようなことは、まずないと思える。
(追記:Donal Lunnyさん、梅津和時さん、近藤ヒロミさんのコラボ・ミニアルバム「Dreaming Dugongs of Henoko」もすごくいいです。)
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