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2010.02.27

よりどころ

Photo小川美術館の有元利夫展に行ってきました。

毎年、命日にちなんで開かれるもので、毎年通っているんだけれど、ことしは作品構成がグンと違って、リトグラフと素描と立体が中心でした。

没後25周年なので、郡山の美術館で大規模な展覧会が開かれていて、油彩はのきなみそちらに貸し出されているもよう。

でも今まで生で見たことなかったものばかりだったから、新鮮でした。

時間の染み込み方が、油彩とは違うんだなぁって思いました。

あわやい、かすれがすれのものを受信して紙に写しとったような素描、印象に残りました。

有元さんの絵と会うとき、わたしは、ちょっと覚悟を決めて、「自分を捨てて」見るようになっています。年に1度展覧会に行くのを、何年か続けるうちに、そうなりました。

自分を上手に捨てることができると、絵にチューニングしやすくなります。

中間領域にいる、絵の中の人がすごく近しい存在に感じられてきます。この領域に目を向けること自体、いつも忘れているから。。そことつながれただけで満たされていくものがあります。

あと今日は、木彫りの馬の背中が呼吸で動き出したのでびっくりした。。。

小川美術館での展覧会は明日28日まで。
郡山市立美術館の回顧展は、3月22日までやってます。

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2010.02.15

大家さん礼賛

今日の東京新聞で、家賃を滞納する人を追い出す「追い出し屋」さんのことが記事になっていました。

保証人を立てないかわりに、管理会社が大家さんと借主との間に入る。それで、家賃の滞納時にはこの管理会社が大家さんへの家賃を建て替えるようです。だから滞納する人はすみやかに追い出す。。。ということになるらしい。

わたしも以前住んでいたところは、管理会社の物件でした。入るときは、保証人を立てなくていいって、いいな、と思ったのでしたが。。。出るときは、きれいに住んでいたのに、あれこれいいがかりのようなことを言われて、結局敷金がいっさい返ってこず、ひどくがっかりしたのでした。どうやら管理会社としては「敷金は返さないのがあたりまえ」というスタンスのようでした。

他の人にも話してみると、出るときに敷金がまったく返ってこないばかりでなく、上乗せしてさらに支払いを求められるケースも多いらしく、そのときに抵抗したら「ヤクザみたいな人が電話してきて、スゴまれた」という人もいました。。。最終的に訴訟を起こして、勝った、という人もいました。

* * *

今の家は、管理会社は間に入っていなくて、大家さんは生身の人間です。

生身の人間であるだけでなく、なんと、大家さんはお隣に住んでいます。ということで日々顔を合わせるわけです(といっても旅暮らしになることが多いらしく「ほとんどいないんですよー」とのことでしたが)。

生身の大家さん、すばらしいです。

「なにかあったら、ほんとに、いつでも言ってくださいね」と最初から何度も言ってくださって。

正式な入居日より前に、家の床にワックスがけをしたいと申し出たら、快くOKして鍵をあけてくださって、しかもワックスがけ作業をしていたら、珈琲をいれてお盆に載せてもってきてくださいました。帰り際には庭のキウイの木から、たくさんキウイをもいでおみやげにくださいました。

家具もたくさん、ゆずってくださいました。ガスレンジ、木のテーブルや椅子、本棚、洗濯機につなぐホース、物干しスタンド、立派な遮光カーテンとレースカーテンの一式、ガスファンヒーターなどなど、たくさん「よかったら使ってください」とくださいました。

引越し当日は、冬至の日だったのだけれど、なんとか荷物を入れて、ほっとした夕方頃、ピンポンがなったので玄関をあけると、庭からもいだばかりのゆずを両手いっぱいに乗せて大家さんが立っておられて、「今日は冬至ですから、ゆず湯にどうぞ」とくださいました。

引越しの数日後、「近所を案内しましょう」と言ってくださって、大家さんと自転車に乗って近所を走りました。一番近くて品揃えのいいスーパーとか、野菜を買うならここ、とか案内してくださって、ついでに一緒に海岸へ行って、花火見物もしました。とっても楽しかった。。

それからしばらく後、荷ほどきを終えて落ち着いたある日、庭先の窓から「あの、これどうぞ」と大家さん。手にはバリ島のコーヒー。「来週からバリに行くんです」とのことでした。

ふつう、おみやげは行った後にくださるのが多いけれど、行く前におみやげをくれる人もいるんだなーと、びっくり、楽しかったです。

僕が不在のあいだ、こまったことがあったら母に言ってください、と言い残して大家さんは旅立ち。。。大家さんのお母様が、数日に1度、大家さんの家の郵便物や動植物のお世話にやってくるようになりました。

このお母様も、大家さんと同じくらいすてきで。。

Choco いちばんびっくりしたのは、先日、バレンタインデーの前日の夜。パートナーと一緒に帰宅すると、パートナーが「ポストにバレンタインのチョコが届いていたよ!」とびっくりしているので、自分で入れておいてびっくりの演技かな?と思ったら、チョコに「七里が浜の○○」と大家さんの苗字を書いた紙が貼ってありました。

なんと大家さんのお母様が、くださったチョコでした。。!

これはほんとうに、びっくり度200パーセントでした。なんてスウィートなんでしょう、とその晩はずっと、幸せな気持ちでした。

ここに越してくることについて、カードを引いたとき「ファミリー」を意味するカードが出て、「より大きなファミリーができますよ、動物たちの高次の霊のファミリーですよ」と言われたのですが。。。動物たちのファミリーもできたのかもしれないけれど、人間のファミリーも大きくなってきたかのような、そんな気がするこの頃です。

そろそろ大家さん、旅からお帰りかな。。。

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2010.02.09

今かなり

しあわせです。なぜかというと、こうしているわたしの左ひじに、ねこの背中がくっついているから。

まるくなって寝てて、寝顔がかわい い。

そういうことがすごいしあわせなこの頃です。

オバカ(オバマじゃないです)になっているなあ、年をとるにつれて。。深みのあることがなにも考えられんです。。(以前「深みのあること」だと感じてた、いろんなことは、たんに「ややこしく」考えてたことがらたちだったのかもしれないけれど。。)

この新しい土地のエネルギーというのもあるのかな?Img_6054

先日、こちらの温泉に行ったんだけれども、どうも、お湯につかっていても、わらわらしている感じでした。

以前よく行ってた公共温泉みたいに、ふあーっとほどける感じよりも、なんだか元気がよいようなふうで。

こちらの土地の奥深くから出てくるお湯がこういう質だということは、この土地はわりとそういう、悪く言えば「落ち着きがない」、よく言えば「意気のいい」土地なのかなぁ。。

それとも。

土地うんぬんではなくて、たんに自分が、今そういう時期にさしかかっている、ということかな?

* * *

そして、今日も、見知らぬ人とながながとお話をした日でした。。
最近、そういうのが続いています。

今日は庭先にやってきた見知らぬ人。「大工さん」というその人は、大家さんと家族ぐるみのお友達だとかで、今はフィリピンで暮らしているそうです。フィリピンでは大工仕事をしているわけではなくて、特になにもしてないそうです。今日は、大家さんの家にあずけてあった自分のパソコンを取りに来た、とのこと。。。

大家さんがバリ島に行ったきり帰ってこないままなので、わたしが大家さんのお母さんに連絡をとって、「大工さん」と引き合わせ。。。無事「大工さん」のパソコンは見つかりました。

なんとなく、なぜかそのあと、うちのリビングで、「大工さん」と大家さんのお母さんと、わたしとでお茶をしました。

「大工さん」は面白い人で、この家の以前の住人のことや、隣人のみなさんのことなど、いろいろ楽しげに教えてくださって、さらにご自身の身の上話をいっぱいしてくださいました。

とても元気のいい、勢いのある方だったけれど、フィリピンに行ったいきさつは鬱になってしまったからだった、と聞いておどろきました。お父さんが亡くなって、妹さんが亡くなって。。

あと、30年前までは人に教えるほどバリバリにサーフィンをやっていたのが、あるとき、教えていた女の子がどんどん沖に行ってしまったのを助けにいって、女の子を助けたあと自分のほうが気が抜けて、そうしたらなぜか息がおかしくなって、ふつうに泳げなくなって、浮いては沈み浮いては沈みしてなんとか岸まで帰ってきて。。以後海は足のつく浅いところしか入りたくなくなった、というようなお話も、勢いのいい明るい口調でお話してくださって。

大変な経験を話しているのに、口調はやっぱり勢いよくて明るくて、そして人情味にあふれているのでした。

まっすぐ、だなぁ。。 大家さんのお母さんも、そうなのでした。

おふたりと話していると、初めて会ったわたしにもこんなふうに接してもらえることが、別に変わったことではなくて、ごく自然なことのように感じられてくるから不思議でした。

* * *

8_3 画像は、やっと手が回ってつくれた引越し通知です。

ぐりとぐらの絵本から切り貼りして勝手に新シリーズ『ぐりとぐらのひっこし』をつくったのでした(作者のおふたり、お許しを。。!)

一応ストーリーが事実に即しているのだけれど。。。これを見てすごく楽しい気分になるのは当事者だけと気づき。。。反省して、他の人宛てには、また別のひっこし通知をつくったのでした。

でも本人的には力作です。

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2010.02.02

椰子の木と、柑橘類と、調律師さん

先月末の締め切り1つを終えて、すこし一息いれてた日々でした。

(あ。あの締切日に、うちに来てくださってたのにお話もロクにできなかった(と)ちゃん、ほかみなさま、、、ほんとにしつれいしました。。早く終えてみなさんににジョインするつもりが。。悲しかったです。。ミニプランツたちを、ありがとう!!)

Photo_2(と)ちゃんのくださった、小さなテーブル椰子とペペロミア、元気です。写真では庭の椰子に圧倒されてる感じもあるけれど。。

でもですね、この庭の椰子も、大家さん(50代の方)が小さいころ、家族が買ってきたテーブル椰子を庭に植えたものなんだそうです。

ということは、(と)ちゃんのテーブル椰子もいずれは。。。

大家さんの庭には、あと、みかんの木やキウイの木やゆずの木があって、しあわせです。

Img_6130ゆずは「自由にとっていいですよ」とおっしゃってくださり。。そして 大家さんは南Photo_4の島へサーフトリップにでかけていったので(お帰りは不明)、悪くならないうちにもいでおくことにしました。

木のてっぺんの高いところは、ほうきの柄で下からつっついて落っことしました。こうすると意外にカンタンでした♪

ゆずの甘い香り、うっとりしてしまいます。

Photo庭のみかんの木のほうも、今実をつけていて、こちらも自由に食べてよいとのことなので、サラダに入れたらおいしかった。

ひるさいどはうすのマスターからいただいた、甘いレタスと、削ったパルメザンチーズと、オリーブオイルと塩コショウ。あとはみかん。

やみつきになるサラダです。

ゆで卵を細かく刻んで混ぜてもおいしいです。

* * *

昨日、朝からピアノの調律師さんに来ていただいたので、お昼ご飯に、またこのサラダを一緒に食べました。

調律師さん、午前中は額に汗して、重労働。。「調律」の前にピアノの健康診断というか外科手術のような世界になってしまいました。

この家を借りたときに、付いてきたピアノは、かなり年季の入ったもので、最後の調律の記録は昭和37年。。。50年近く前です。

弾いてみると、宇宙っぽいミョーな響きで、音は狂いまくっておりました。

もうダメなのかも。。われわれの予算内でふつうに弾けるピアノに復元することはムリかも。。と思いつつ、だめもとで調律師さんに見ていただくことにしたのでした。

調律師さんは、玄関を入って、すぐさまピアノの元へ行き、サッとふたを開けて弾いてみて、開口一番「ひどいですね。。」

あ~やっぱりそうですよねぇ、と思いましたが、この調律師さん、このあとがすごかった。

Photo_7湿度計と時計をピアノの上にセッティングするやいなや、どんどんピアノをバラしていき、ものすごい勢いとテンションと集中力で、ガンガン作業をすすめていきました。。トンカチやらドライバやPhoto_9 らオイルやら、さまざまな道具がおおきな仕事かばんから次々に飛び出し。。

大迫力でした。

調律師さんは、仕事をするときのテンションはすさまじく、声もかけにくいくらいなのですが、おしゃべりをすると、森本レオをさらに薄めてソフトにしたような、とても耳に心地よい声で、ゆったりと話す方で、(しかも話題のセレクションも妙におもしろく。。)そのギャップが興味深かったです。一見こわいんだかやさしいんだかわからないような感じだけれど、やっぱりとてもあたたかい方だとはっきりわかる、まさに職人さん、を絵に描いたような方でした。

午後もずっと、ほんの一瞬コーヒー休憩を取った以外はずっと、おゆうはんの時間ギリギリまでぎゅっと集中した作業を続けてくださいました。午後はずっと音を出しながらの作業。

Photo_10 でもその音も、音楽ではない、調律のための音だしなのに、なぜか不快感はゼロで。。

同じ部屋でいろいろと仕事をしていても邪魔にならないのでした。

そして最後「なんとなくピアノらしい感じにはなりました」「でも時間さえあれば、まだまだやれるんですけれどね。。ほんとに、やることは山ほどある、という感じのピアノですから」とおっしゃいつつ、調律師さんは去っていきました。

もしかして、「おゆうはんもお出ししますので、よかったらその後も作業を続けてください」と言ったら喜んでやってくださっていたかもしれないかも。。。と思ってしまうくらい、とことん職人気質であられるので、やりだしたらとまらない、というふうでした。

手のかかるピアノほど、やりがいもあるかのような。。。。。。。?

ほんとうにすばらしい調律師さんの手で、あっちの世界に片足つっこんでいた古ピアノ、見事に生き返りました :)

そして1日家の中で作業の現場に居合わせた私たち2人は、よるごはんを食べつつ「今日は充実した1日だったね~」と語り合いました。自分が仕事をしたわけでもないのに、あの仕事空間の中にいただけで、なんだか充実して働いた気分になりました。

職人さんというのは、ほんとにすごいです。



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