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2012.07.22

大地と連なってる人たち

夏の土用入り、しましたね。暑中お見舞い申し上げます。(といっても昨日今日の関東はまるで秋になっちゃったみたいに寒いけど…)。

こないだ、徹夜して仕事をして、そのまま翌日の午後まで仕事を続けてから、終わって、ごほうびに夕日を見に行きました。

20120717_183441 地面にねころんで、海へと近づいていく太陽を眺めていたら、すごく昔の感覚を思い出した……ような気がした。

文明とかが出てくる前の……まだ生きものとしてまっとうだった頃の感覚、みたいな…??

ものすごく幸せでした。

あそこの場所は、もう変わり果ててしまったようだ、と一時期思ってたけれど、やっぱり、あそこで寝ころぶと、何か正しくされるというか、まっとうにされるものがあるみたい。

そういう場所がひとつでもあることは、幸せなことだなあと思い至りました。ありがとうです。

* * *

ここしばらく、ネイティブ・アメリカンのチェロキーの文化についての本を続けざまに読んでいて、その合間に、グアテマラ先住民キチェ族の方たちの、マヤのお祈りのセレモニーにご一緒させてもらっていました。

チェロキーの方の本では、書いてあることすべてがうれしくて。マヤのセレモニーでも、グアテマラから来てくださったペドロさん、ファビアナさんに一目お会いしたときから、もううれしくて。

Img_2697 セレモニーでは、色とりどりの花々や葉っぱや果物で整えられた、美しい輪の形の祭壇とその真ん中の炎を囲んで、素朴なマリンバの「聖なるしらべ」でステップを踏むおふたりはほんとうにすてきでした(写真は準備のときのもの。セレモニーが始まったら一切撮影してはいけないのです)。一緒にお祈りをするとき、うながされて初めて地面にほんとうにキスをしました(くちびるに、土が、ついた)……。

Img_2734 晩はセレモニーの会場になっていた湖畔の森でテントを張って泊まって、朝は鳥たちの声で目覚めました……。

以来、うれしい感じが持続していて…。大地ともう少しつながり直すための、きっかけをいただいたように感じてます。

ネイティブアメリカンの文化とマヤの文化、こまかいところがだいぶん重なっている、ということも実感しました。

そうこうしていたら、先日遊びに来てくれた友達が、なんの脈略もなく、ぽん、と、オーストラリア先住民に関する本をくれました。

今日になって読んでみたら、白人が入植してきたとき、白人の大規模な牧場で、キャンプ暮らしをしながら賃金なしで働くことを選んだ先住民の人たちがいたのは、「もともと暮らしていたその場所にある聖地を守るため」だった部分が大きかったらしいことがわかりました。

(そのキャンプ暮らしのときに、多くの女性が白人男性にレイプされて身ごもったのが、白人との混血のアボリジニの方が多くなった理由のひとつだったことも)。

先住民と呼ばれる人たちの多くには、大地との絆のような、大地への責任感のようなものが、ほんとうに深いことを、思いました。

*  *  *

何年か前、プロセスワークの「ワールドワーク」という会のために、初めてオーストラリアへ行ったとき出会った、アボリジニの方たちのことを、思い出しました。

世界各地から集まった280人くらいの人たちで、連日さまざまな問題を取り上げてワークをしたのだけれど、わたしはそのあいだ、みんながやいのやいのと発言しあっているのを見て聞いていて、変な精神状態になってしまって、大変だったのだけど。。。そのときのことは、前にも書いたので、おいておいて。。。

今日、思い出していたのは、最終日、飛行機の都合でみんなより一足先に会場を離れて早朝に空港へと向かった道中、同じく事情あって一足先に帰ることになっていたアボリジニのご夫婦と、3人でバスに揺られてたときのこと。

肌の色の白い奥さんのほうは、アボリジニ問題を取り上げたワークの最中、何度か立ちあがって発言をしたりしていた人で見おぼえがあったんだけれど、漆黒の肌をしただんなさんのほうはそういうことがなくて、目立つことがなかったので、この帰りのバスで初めてちゃんと顔を合せました。

しばらくみんな黙っていたけれど、そのうち、ぽつりぽつりと話しだして、その中で、(今回のワールドワークのテーマは「Listening to the Land」だったので)、「わたし自身は大地の声を聞けたかどうか、定かではないけど、大地は確実に私達の声を聞いたと思います」と言ったら、ふいに、「あなた、お名前は?」とだんなさんに尋ねられました。

もう空港への道中の半分は来ていたし、空港に着いたらお別れだし(彼らは国内線ターミナルで、私は国際線ターミナル)、大勢の参加者の中の1人だし、わざわざ今になって名前を尋ねるような状況でもなかったので、意外でした。

でももしかしてあれは、わたしが大地のことを(わからないなりに)、ああいうように話したからだったのかもしれないな、と今日思った。。

* * *

Img_0014 大地と連なってきた人たちを理想視するのも違うとは思うけれど、

自分はこれまでずっと、わがもの顔で大地をずかずか踏んづけて生きてきてしまったなー。。。もうなるべく、そんなふうにはしたくないなあと、思うから、

あの人たちのたたずまいに、学びたい。

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2012.07.08

紫陽花の季節に

Img_2641 紫陽花、まだまだきれいに咲いているのを見かけますが。。。

大飯原発の再稼働、という政府の決定に対する、毎週金曜の首相官邸前での抗議行動(通称「紫陽花革命」)のほうも、きれいに咲いているようです :) 

わたしもできるだけ参加してみています。

小学生くらいのお子さんを連れた人、犬を連れた人、あかちゃんをおぶった人、ベビーカーを押してる人、会社帰りの人、お年を召した人、若い人、車いすの人、一人できている人、連れ立ってきている人。。。さまざまな人がいらっしゃっています。それぞれに自分の思いをプラカードや旗にして、手にしていたり。

みなさんのメッセージはシンプルに、「再稼働反対」。

あんなに大勢の人(主催者発表で、前回は20万人に達しました)が、一緒になって、あんなに非暴力的に、一貫したメッセージをずっと発していることに、ちょっと感動しています。人混み&電車で都心へ行くのが、最高に苦手な自分ですが、あの人混みの中にいるのは、不思議とちっともいやではなく。。。むしろ明るい気持ちになれます。

そして個人的にもうひとつ驚いたのは警官のみなさんが予想以上に親切なこと(自分がたまたまいた場所に限るかもしれませんが。。。)

7月6日には、ミュージシャンの坂本龍一さん、歴史社会学者の小熊英二さん、政治家の亀井静香さん、田中康夫さん、福島みずほさん、阿部知子さんも参加されました。

よかったら、次の金曜、ご一緒しましょう。詳しいことはこちらなどを見るとわかります。

* * *

もう1つ、官邸前や大飯原発前に行くのは無理な方にも、できることがあります。

今、国は「エネルギー・環境に関する選択肢」に対する国民の意見(パブリックコメント)を募っています。

具体的には、2030年の原発依存度に関して 0%、15% 20-25% の3つの選択肢を提示して、国民の意見を募っています。募集期間は7月2日から7月31日(18時)まで

募集が開始された7月2日時点での原発への依存度は0%(稼働している原発ゼロ)でした。グリーンピースが提示した「エネルギーレボリューション」を見ていただいてもわかるとおり、原発依存度0%は可能です。

0%の選択肢へ向けて、ぜひ、パブリックコメント送りませんか? 

このページから、意見を送る方法がわかります(すぐ、できます!)..

* * *

原発が悪いことはわかってるけど、でも。。。という方へ。。。よかったら、ここを、見てみてくださいませんか? 

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ねがいごと

Img_2578 原発について、思うこと、それぞれにあると思いますけれど、とりあえず、この文章を、読んでいただければなぁ、と願うわたしがいます。個人的にお世話になってきたスロービジネススクールのコーチョーこと中村隆市さんの文章です。

お時間かかってしまうかもですが、よろしくお願いします(ぺこり)。

* *  * 以下、中村さんの7月8日朝のFBより (ご本人の了承を得て転載)* * *

昨夜の質問に対する返答2

まず、質問の全文


「中村さんのFBでの記事?は、どれも「原発」「反原発」ですが どうしてですか?そしてそれは 何処が到達点なのでしょうか?原発に対しては 皆さん関 心も強いし 怖い いけない 悪い 有害 .....。十分に分かってます。とは言え 今日の生活があり 有害物質を含んだ空気も吸わない訳にはいかず  毎日口にする物も 厳選する事も不可能に近いです。まぁそれが 現実ですよね! そんな中 幻想でなく もっと具体的なプロセスと言う物を語って欲しいと
思いますが! まさか 「原発停止」万歳!で終わりでは無いでしょうね!! あの何十万人の人達はその後 何処に向かって行進するのでしょうか?」

Hさん、いい質問をありがとうございます。
この中の「中村さんのFBでの記事?は、どれも「原発」「反原発」ですが どうしてですか?」という部分について、少し返答になるかもしれないことをお伝えしたいと思います。

まもなく山口県の周南市に出かけて、飯田てつなりさん、藤波心さんと会い、そして、坂本龍一さんとはインターネットで語り合うイベントに参加するので、またご希望があれば、近日中に詳しい返答ができると思います。

http://www.facebook.com/photo.php?fbid=3317362623572&set=a.3281883576618.2115561.1553451884&type=1&theater


経済優先社会から いのちを大切にする社会に
(2012/04/10 中村隆市ブログ 風の便り)から

数年前から、中小企業家同友会や青年会議所などの中小企業の経営に関わっている皆さんに講演する機会が増えてきました。昨年の311以後は、チェルノブイ リの医療支援や福島の原発事故について話す機会も増えてきました。経営者向けの講演録があれば見たいとの声があるので、参考までに一部をアップしておきま す。(京都、滋賀、福岡での講演要約から抜粋)

今週土曜日(4/14)福岡県遠賀郡水巻町で開催される「いのちの映画祭」でも「いのちを大切にするしごと」をテーマに講演します。以下のような内容も話す予定です。

京都中小企業家同友会 2012新春講演会
「経済優先社会からいのちの尊厳を大切にする経済社会に」
―子どもたちと未来にどのような国を残すのか―

講師 中村 隆市 氏 株式会社ウィンドファーム 代表

講演概要

 江戸時代の哲学者に三浦梅園という方がおられます。まずこの方の言葉を二つ紹介します。一つは「枯木に花咲くに驚くより、生木に花咲くに驚け」。人は、 枯れた木に花が咲けば奇跡だと驚きます。しかし、梅園は生きた木に花が咲くことこそ驚きだと言います。もう一つは「経済には、独り占めの経済(乾没)と分 かち合いの経済(経世済民)の二種類がある」という言葉です。このことは最後に触れたいと思います。

 まず、最初の言葉「枯木に花咲くに驚くより、生木に花咲くに驚け」についてです。毎年、春が来れば花が咲きます。梅が咲いて、桜が咲きます。毎年、あた りまえのように花が咲きます。私たちは、朝起きて目が見えます。耳が聞こえます。手が動いて、足が動きます。それは当たり前のことですが、それが奇跡では ないかと梅園は言っています。肺が働くから呼吸ができます。心臓が働くから血液が全身にまわります。心臓は、一生の間に(80年間で)およそ30億回も休 みなく収縮運動を繰り返します。すごいなぁと思います。そうしたことを梅園は、日常の中に奇跡が宿っていると言っているのです。

 地球という星も奇跡です。この宇宙の中に今分かっている段階では地球のような星はありません。そういう星に私たちは生まれることができたのです。そし て、日本という美しい国に生まれることができたことも幸せなことだと思います。また、私たちは人間として生まれることができたことも幸せだと思います。今 日はそういうことも含めてお話させていただきたいと思います。

水俣病との出会い、環境問題へ(要約)

 私は1955年に福岡の和白干潟という美しい干潟の傍で生まれました。19歳のときに水俣病のドキュメンタリー映画を観て、公害や環境問題に関心を持ち 始めました。そして、環境保護運動に参加するようになりました。また、有吉佐和子さんの『複合汚染』を読んで、農薬や食品添加物などの問題を知り、有機農 業に関心を持ち始めました。

 その後、山村に住み、農薬も化学肥料も使わずに野菜や米をつくり、鶏を飼うようになり、できた野菜を売ろうとしたのですが、当時の消費者は、安全で栄養 価は高くても「見てくれの悪い」有機野菜は評価しませんでした。有機農業を広めていくには消費者の意識を変える必要があると考えた私は生協に就職して有機 農産物への理解を広げる仕事をしました。

 農薬の勉強会や田畑での農作業を消費者が体験することで、だんだん生協内に有機農業に対する理解が広まり、福岡県内60ヶ所ほどで青空市場を開くこと で、一般にも有機農業に対する理解者が増えていきました。そんなときに、日本から8000キロ離れた原発が爆発事故を起こしました。

放射能汚染食品が途上国に

 1986年4月に起こったチェルノブイリ原発事故です。この事故がどのくらい大規模な事故だったかを知るのに参考になるのが、事故処理作業や除染作業に 携わった人の数です。若い人たちを中心に、なんと80万人以上が動員されたと言われています。その際使用した乗物などは全て放射能で汚染され、地下に埋め られました。しかし、汚染されたのは機械だけではありません。事故処理作業員も放射能で被曝しました。事故から14年後の2000年には5万5千人がすに で亡くなっていると発表されています。

 この事故処理作業にあたった人たちに私も何度か会いましたが、彼らには、心臓や血液の病気が多く、呼吸器系、消化器系、内分泌系など様々な病気で苦しん でいました。いま日本で行われている除染作業をテレビで見ていますと、あまりにも軽装すぎます。あの軽装で除染作業を続けていたら相当な被曝をするのでは ないかと心配です。

 この原発事故で、放射能が風に乗って世界に流れていきました。日本にも1週間後に放射能は届いています。雨水や飲み水、お茶や米、そして母乳からも放射 能が検出されました。それと合わせて、もう一つの問題が出てきました。食料輸入大国の日本にチェルノブイリ原発事故で汚染された食品がたくさん入ってくる ようになったのです。

 日本政府は、放射能汚染食品の輸入基準値を決めました。それが370ベクレルです。今の福島原発事故ではヨウ素が2000ベクレル、セシウムが500ベ クレルです。(※2012年1月現在)当時、私がいた生協では独自の基準を設けました。10ベクレルです。これは子どもたちを持つお母さん方が相談して決 めた数値です。子どもたちに汚染されたものを食べさせたくないとの思いです。当然です。体内に入った放射能はずっと内部から細胞を傷つけていきます。汚染 食品を体内に入れないというのはとても重要なことなのです。

 日本は世界から食糧を大量に輸入している国です。チェルノブイリ事故のあと、たくさんの汚染食品が行き場を失いました。その汚染食品の多くは「援助物 資」として「発展途上国」にまわりました。この時と同じようなことを外務省が計画しています。皆さんご存じでしょうか? いま魚の放射能汚染数値が高くなってきていることを。そして、外務省が東北の缶詰を「途上国支援」として送ろうとしていることを。もし缶詰の魚が放射能で 汚染されていて、それを援助物資として途上国に送ったとしたら、世界は日本をどう見るでしょう。日本の誇りはどうなるのでしょう。

放射能汚染、基準値以下は補償されない?

 私は自分の子どもに食べさせたくないものを途上国に送るのはいやです。私の会社は有機栽培のコーヒーや紅茶をフェアトレードという形で中南米やアジアか ら輸入しています。国内の有機栽培のお茶も販売しています。その中に静岡のお茶もあります。長年、有機無農薬で栽培されてきたお茶農家ですが、そこが放射 能で汚染されました。その農家はそれを公表しました。偉いなと思います。公表した結果、売上は落ちました。この農家のお茶は基準値以下ですから、おそらく 補償されません。しかし補償するべきだと思います。

 私も含めて中年以上の世代は、原発事故に対して大きな責任があると思います。そんな思いもあって私は、その有機農家のお茶を飲んでいます。 私の母にもプレゼントしました。ところが、頭では納得しているつもりでも心や身体が納得していないのです。拒絶するのです。母親に放射能に汚染されたお茶 を渡した後、自己嫌悪の気持ちが強くなりました。途上国の子どもたちに汚染された援助物資が送られた事実を知ったときと似たような気持ちになりました。

フェアトレードを始める

 放射能汚染食品が途上国に送られたと知ったことが、途上国の生産者とつながるフェアトレードという仕事を始めるきっかけになりました。そして、これまで 日本国内で有機農業を広める仕事をしてきたので、途上国でも有機農業を広めたいと考え、有機無農薬栽培のコーヒーを輸入しようと決めて南米に出掛けていっ たのです。

 しかし、ブラジルで有機栽培をしている農園は見つかりませんでした。どこで聞いても、「農薬なしにできるはずがないじゃないか!」と笑われました。諦め かけたのですが、日本でも有機農業を始めたころは同じような状況だったことを思い出して、ブラジルでも探し続けました。

 諦めずに探し続けた結果、3回目のブラジル訪問でカルロス・フランコさんという生産者との奇跡的な出会いが生まれ、本格的なフェアトレードができるよう になりました。(この話は『考える絵本 しあわせ』という絵本になっています)5年、10年と経って、カルロスさんの影響で有機栽培コーヒーをつくる生産 者が増えてきました。しかし、大量にできた有機コーヒーを私の会社だけで買い支えることはできませんでした。

 それで、ブラジル国内に販路を広げるために、ブラジル初のオーガニックカフェをクリチバというエコシティで有名な町に開店しました。今ブラジルには、 オーガニックカフェがたくさんできています。また、レギュラーコーヒーだけでなくインスタントコーヒーも商品化しました。そうしたことを通じて、ブラジル でも有機栽培農家が増えていきました。コーヒーだけでなく野菜や果物なども含め、農作物全体の有機栽培が増えています。

微力でもハチドリの一滴を

 2004年に、カルロスさんの農園があるマッシャード市が世界で初めてオーガニックコーヒー首都宣言をしました。こうした小さな市がこのような宣言をし たことは大きな意義があると思います。今日お集まりの皆さんは中小企業の経営者の方が多いのですが、私も20数名のスタッフしかいない小さな会社の経営者 です。小さな会社は大企業にはできない大胆な転換ができると思います。この小さなマッシャード市が、市をあげて有機栽培を宣言したような、そんなことが小 さな会社にはできるのではないかと思います。

 今エクアドルでもフェアトレードを進めています。素晴らしい自然がある地域ですが、その自然がどんどん破壊されています。その理由の一つが、先進国の大 企業による鉱山開発です。銅や金を採掘するために森が伐採され、自然が破壊されています。今、地球の森林は1分間にサッカー場1つ分が消滅し、1年で日本 の国土の半分が消滅していっているそうです。生物は1日100種以上が絶滅しています。森を守ることが種の絶滅を防ぐためにとても重要なのですが、その森 が破壊されているのです。

 森林が減少している根本の原因は、先進国が生み出した大量生産、大量消費、大量廃棄という使い捨ての暮らしです。資源と自然の使い捨てです。かつてモノ を大事にしてきた日本が、今はモノを大切にしない国になっています。私たち経営者も長持ちする製品をつくると回転が悪くなるという考えを持っています。そ うした意識が、大量生産、大量廃棄ということにつながっています。

 しかし、あるバッグ製造の会社では、おばあちゃんからお孫さんまで三世代も使うようなバッグを作り続けています。流行を追わず、徹底的に修理をしています。そんな会社があることもご紹介しておきます。

 「ハチドリのひとしずく」というエクアドルの民話をご存知でしょうか。「森が燃え、動物たちが皆逃げていく中で、一羽のハチドリだけは、くちばしで一滴 の水をすくい、燃えさかる森に何度も落としに行きます。逃げていった動物たちは、そんなことをやって何になると笑います。ハチドリは言います。『私は、私 にできることをしているだけ』」。そういうお話です。私はこの話をキチュア族の先住民から聞いて勇気をもらいました。そして、この話を伝え続けていること が素晴らしいと思いました。それで、私もこの話を広めたいと思って、仲間と一緒に小冊子をつくって販売しています。(『私にできること 地球の冷やしか た』)

 私にできることをするという、その一滴一滴はほとんど無力に近いかもしれません。しかし無力と微力は違うのです。微力でもたくさん集まれば大きな力になります。ゼロはいくら集めてもゼロですが、1はたくさん集めれば大きくなります。

 今日は皆さんのお手元に2007年に発行した『豪快な号外』という新聞をお配りしています。これには環境問題の現状と、それを解決するために新しい取り 組みを始めた人たちのことを書いています。それと、核燃料再処理工場の放射能の問題をほとんどの人が知らないので、それを知らせたくて、元お笑い芸人で映 画監督のてんつくマン(山崎邦正とコンビを組んでいた軌保博光)と一緒に3000万部発行し、全国で2万人以上の人が配布に協力してくれました。

 一部、内容を紹介しますと、「100万人のキャンドルナイト」という記事を掲載しています。これは当時、アメリカのブッシュ大統領が発表した原発増設な どのエネルギー政策に反対を表明しようと北米から始まった取り組みが、日本で発展して、今では700万人が参加する一大イベントになっています。

放射能汚染が引き起こす悲劇

 チェルノブイリ原発事故の汚染地域では甲状腺ガンや様々な病気が増えていきました。私は、脱原発運動に取り組む友人たちが1990年に始めたチェルノブ イリ医療支援の活動に参加し、毎年のように現地の病院に薬や医療器具を届けに行くなかで、ナターシャさんという女性と出会いました。ベラルーシには珍しい 福祉施設をつくった方です。このナターシャさんのお子さんは二人ともガンで亡くなっています。今は、娘さんが残した孫と暮らしています。放射能汚染地に は、子どもを亡くした人たちがたくさんいます。子どもが親よりも先に亡くなるのです。このことが、放射能被害の一番むごいところではないかと私は思いま す。

 事故前と比較して、チェルノブイリの子どもたちにどれほど病気が増えているかを示すデータがあります。このデータは、私がある子ども病院でもらった生 データです。原発事故前年と9年後を比べると、急性白血病が2.4倍、ぜんそく2.7倍、糖尿病2.9倍、血液の病気3.0倍、先天性障害5.7倍、ガン が11.7倍、そして、消化器系の病気が20.9倍にも増えていました。

10才は55才の200倍以上、0才は300倍以上放射能の影響を受ける

 放射線が年齢別にどのくらい影響を与えるかという有名なジョン・ゴフマン博士の研究があります。55才では1万人中49人がガンで亡くなる被ばく線量を 浴びたときに、0才の子どもは15170人も亡くなるというのです。55才の309倍です。10才でも10521人が亡くなります。55才の200倍以上 です。大人と子どもではこのぐらい放射線被ばくの影響が違うのです。今、子どもたちを放射能(放射性物質)から早く遠ざけないといけないという理由がこれ なのです。

 今回の福島の原発事故で原発の恐ろしさを知られた方は多いと思います。原発は事故を起こすから止めないといけないと思っておられる方が多いと思います。 しかし、原発は事故を起こさなくても様々な被害を与えています。その一つはウラン鉱山です。世界のウラン鉱山の75%以上は、先住民が住む地域にあるので すが、鉱山の周辺では様々なガンや病気が増えています。詳しくは、私のブログや『ブッダの嘆き』という映画をぜひご覧下さい。

 原発の周辺でもガンや白血病が増えています。ドイツやフランスの調査では原発から5km以内の地域では、小児ガンや小児白血病が2倍くらいに増えていま す。アメリカやイギリスでも原子力施設の周辺でガンや白血病が増えています。再処理工場の周辺では、白血病が10倍に増えている所もあります。日本におい ても、佐賀県の玄海原発の周辺地域では白血病の発生率が異常に高いです。全国平均の6倍以上です。北海道の泊原発の周辺でもガンが多いです。(詳しくはコ チラ)

人間だけでなく生物も被害者

 原発は人間以外の生物をも苦しめています。例えば、過熱した炉心を冷やすために大量の海水を吸いあげて、7℃熱くなった海水(温排水)を海に放出します が、その量が恐ろしく多量です。平均的な規模の100万キロワットの原発1基で1秒間に70トンも温排水を海に放出します。現在、日本にある54基の原発 全体から1年間に放出される温排水の量は1000億トン。日本全土に降る雨の量が年間6500億トンで、そのうち河川に流れるのは4000億トンですか ら、原発は、日本の川を流れる水の4分の1に相当する量を7℃温めて海に戻しているのです。

 さらに問題なのが、海水を吸い上げる際にプランクトンや魚卵、そして、稚魚などを大量に吸い込み、炉心近くの高熱でその多くが死んでしまうことです。そして、吸排水パイプにフジツボなどが付かないよう殺生物剤(次亜塩素酸ソーダ)が使用され、海洋を汚染しています。

 原発には、これ以外にも被曝労働の問題があります。これまで、原発での作業でガンや白血病になったとなかなか認められなかったのですが、少しずつ認めら れるようになってきました。厚生労働省によると、10人は作業中に浴びた放射線を原因として労災認定され、内訳は白血病6人、多発性骨髄腫2人、悪性リン パ腫2人です。累積被ばく線量 が最も高かった人は129.8ミリシーベルト、残り9人は100ミリシーベルト以下で、最も少ない人は約5ミリシーベルトでした。 このことからも放射線の影響を大きく受ける子どもたちの被ばく線量が、年間20ミリシーベルトまで許されている福島の現状は異常な状況です。

未来世代も原発の被害者

 原発の究極の問題として、100万年も毒性が消えない「放射性廃棄物」の問題があります。 京大原子炉実験所の小出裕章さんは、「廃棄物」という言い方はせず、放射性「廃物」とか放射性「毒物」と表現します。なぜ「廃棄物」と言わないの か。それは、これらの放射性毒物は、廃棄することができないもの、捨ててはいけないものだからです。

 『脱原発化を選んだドイツからのメッセージ』には、100万年以上の管理が必要と書いてあります。 こんな言葉もあります。「原発が役に立つのは100年、後始末には100万年」。私たち現代人は、未来世代に重荷を負わせることをやっている自覚がありま せんが、千年後、1万年後、未来世代の人たちは私たちの世代のことをどう思うでしょう。

 原発以上に問題が大きいのが再処理工場です。これまでトラブル続きで中断していたのが、試運転にむけて動き始めようとしています。もし、再処理工場が本 格稼動すれば、日常的に原発の300倍以上の放射能を放出します。そういう大変な問題に関しても、多くの市民は専門家や政治家に任せてしまって、自分で考 えようとしていません。地震が多い日本列島に54基もの原発ができてしまった根本にも同じ問題があると思います。

政府、政治家に任せていては脱原発はできない

 京都、滋賀をはじめ関西は、福井の原発から近いですね。若狭湾は日本最大の原発密集地です。大きな放射能の被害にあう可能性が高い地域だと思います。も んじゅも含めて何が起こってもおかしくありません。福島の場合は、200km離れた東京の東部まで汚染数値が高いです。福島と同じことが起こったら、琵琶 湖が汚染されたら、関西はどうなるのでしょう。

 政府は原発を再稼動させるつもりです。与党の民主党も、原発を導入した自民党も同じです。財界も経団連がそうですが、大きな組織ほど「いのちを大切にしたい」という市民の感覚からかけ離れています。中小企業の皆さんは、市民の感覚をお持ちだと思います。

 かつてデンマークでは、原発が導入されようとしたとき、市民が協力してフォルケセンターという民衆の自然エネルギー研究所をつくりました。フォルケセン ターでは、実際に風力発電機などをつくり、研究データを一般に公開しました。そのデータを参考にして各地の町工場が風力発電機をつくり始めました。町工場 のデータはフォルケセンターに還元され、それがまた公開されて、町工場での製造に生かされる、そんな繰り返しを通して、世界一の風力発電機が出来上がって いきました。

 今では、電力に占める風力発電の比率が20%を超える世界一の風力発電大国であり、人口が550万人ほどの小国でありながら世界最大の風力発電システムの輸出国になっています。

本当の「経済」を子どもたちに

 通信販売で知られるカタログハウスという会社があります。この会社は「通販生活」という雑誌に何年間もチェルノブイリの問題を掲載して募金を募り、何億 円も医療支援を続けてきました。また、一般には知られていないことですが、チェルノブイリの医療支援をしている団体に長年にわたり多額の寄付を続けてきま した。現在も福島の支援や脱原発につながる取り組みを続けています。

 東京の城南信用金庫は、「脱原発」を掲げ、東電から電力を買うのをやめて、電力会社でなくても電力を販売できる「特定規模電気事業者(PPS)」から買 うことにしました。電気料金は、従来より5.5%も安くなるそうです。城南信金の理事長は「多くの企業がPPSに切り替えれば、原発を止めても電力を供給 できる。取引先などに呼びかけてPPSの利用を広げたい」と話しています。この動きが広がることを私も願っています。

 
「あたりまえ」と「おかげさま」

 三浦梅園は、「枯木に花咲くに驚くより、生木に花咲くに驚け」という言葉で、私たちが軽視しがちな「あたりまえ」の日常に奇跡が宿っていることを教えてくれています。

 福島から幼い子どもを連れて、福岡に避難して来たお母さんがこう言いました。「安心して空気が吸えて、安心して水が飲めて、安心して食べ物が食べられて、安心して子どもを大地で遊ばせることができる。これほどうれしくて、ありがたいことはない」と。

 私たちは、人が生きていく上で最も大事なものを長い間、忘れていたようです。いつの頃からか、私たちは、目先の「経済成長」を最優先するようになり、か けがえのない自然や生態系を軽視するようになってしまっていたと思います。 もし、私たちが「あたりまえ」と軽視してきたものに対して「おかげさま」とい う気持ちを取り戻すことができたら、いろんなことが見えてくるのではないかと思います。

 最後に、三浦梅園が言った「経済には、独り占めの経済(乾没)と分かち合いの経済(経世済民)の二種類がある」という言葉の「経世済民」と「乾没」につ いて話したいと思います。「経世」というのは世の中を納め、「済民」は民を救うという意味です。「世の中を平和にして人々を幸せにする」それが、経済の本 来の役割です。

今の経済は、経済の名に値しません。独り占めの経済、自分だけ良ければいいという「乾没の経済」です。

原発事故を起こしながら、原発を東南アジアに売りつけようとしています。日本さえよければいい。今の時代さえよければいい。こんな考え方が子どもたちが生 きていくのに困難な世界をつくっているのです。もう一度、私たちは経世済民、世の中を平和にして人々を幸せにする経済を取り戻す必要があると思います。

全文
http://www.windfarm.co.jp/blog/blog_kaze/post-9554


今日は、いい天気になりました。
鹿児島県知事選の投票率が少しでも高くなるいいなあ。
7月8日 飯田てつなり講演会 http://www.windfarm.co.jp/blog/blog_kaze/post-11118 山口県周南市 市民館 13:00~ 飯田さん、藤波心さん、坂本龍一さん(インターネットでの参加)と私も参加します。
Photo: 7月8日 飯田てつなり講演会 http://www.windfarm.co.jp/blog/blog_kaze/post-11118 山口県周南市 市民館 13:00~ 飯田さん、藤波心さん、坂本龍一さん(インターネットでの参加)と私も参加します。

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