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2016.02.08

グリーンウッドワークの椅子づくり・岐阜編

20160208_141715_2 1月の上旬の3日間、そして昨日までの2日間と、岐阜のエゴノキの生木で、オール手道具で椅子をつくる、グリーンウッドワーク指導者養成講座に参加させてもらっていました。そして昨日の夜、ついに椅子は(一応)完成しました!

今回の椅子は、森林文化アカデミーの久津輪さんとグリーンウッドワーク研究所の加藤さんによるオリジナルデザインのもの。軽量ですらっとした椅子になりました☆

20160208_081850 イギリスへグリーンウッドワークの椅子づくりをしにいった1年半前と、ちょうど同じように、できたてほやほやの椅子をプチプチでぐるぐる巻きにして、持ち帰って来ました。夜行バスのトランクに載せて、早朝のローカル線の電車に載せて。。。さきほど家に到着。

ほっとして、マヤナッツを一杯飲みつつ、朝のことりたちが「猫の額庭」に集っているのを見ています。今日から仕事に戻らなくちゃ、なスケジュールなのだけど、もう少したってからにすることにする。。。

20160109_09453920160206_120219_220160110_105254先月の前半の3日間は、丸太を割って部材に削るまでをしたのだけ れど、毎晩おふとんの中で腕がパンパン、ジンジンするのをこらえながら眠るくらいの作業量。でもそうやって過ごした2日目の晩、お風呂のあとバタンとベッドによこになったときに、幸せ感に包まれました。こうしてひがな木を割ったり削ったりして過ごすことのよろこびがわーっとやってきた。。。

前半を終えていったん帰宅してからは、後半が楽しみで仕方ありませんでした。

  20160207_071314 そして迎えた昨日までの後半部は。。。初日の朝、見晴らしのいい雑木林の一角で、小鳥たち(ヤマガラ)のさえずりと羽ばたきの音、それに木の実をコンコンコンと枝に打ち付ける音につつまれて過ごした数分以外は、とにかくずううっと急いでいたし、焦っていたしで。。。ほんとうに大変ハードな日々でした。

20160207_10262320160207_093113 やっぱり椅子づくりは大変だなあ!と思い(出し)ました。イギリスで も、自分ひとりだけ完成しないかもしれないと本気で思ったし、トイレで密かに泣いたこともあったのでした。しかも、そのイギリスでの6日間にくらべても、今回の5日間(とくにラスト2日)はさらにきつかった。。。

でも完成は、したのでした。大変だなあ!というのと同時に、でき20160207_171921ちゃうんだなあ!という驚きが。。。もちろん、指導してくださる方々、助けてくださるお仲間のもとで、なんとかぎりぎりできた、という感じだけれども。

木工の素養のある参加者の方(木工教室に通っているとか、木工教室を主宰しているとか、木育関係の団体に出入りしているとか、自分でログハウスを建てているとか、家具職人さんだとか)はやっぱりみなさん作業も早いし、きれい。指導者養成講座だけあって、そうした人たちが大半を占めていたので、助けていただけて、とっても心強く、ほんとにありがたかったです。それに先生方もスタッフの方々も、参加者の方々も、みなさんとてもほがらかで一緒にいて楽しい人たちばかりで、この方たちとご一緒できて、ほんとにうれしかったです。作業は大変だけれど、終始和やかな雰囲気の中で(といっても最後の最後はパツパツだったかな。。)木工経験の浅いわたしやほかのみなさんも、全員、無事に完成したのでした\(^o^)/20160207_181304

しかし。。自分が作業が遅くて、みなさんの足をひっぱってしまったことを、おひとりおひとりに(そして誰より先生方に)お詫びしたかったです。。

椅子が完成して、みなさんと別れて、ひとりになったとき最初に湧き上がってきたのは、自分にはこれはやれないことなんだな、という気持ちでした。普通の(グリーンウッドワーク以外の)木工の素養がないだけでなくて、作業時の物理的なパワーとスピードも足りない。。それに木工の世界に入るならもっと生活根本からきびきびしないと。。それに人と接することへのハードルも今回大分跳び越えたつもりだったけどまだまだまだだ。。。もうこの道を歩き続けていこうとしちゃいけない、etc.etc.

「『終わり方』が大事」「終わった後に自分いじめをしない『後始末力』をつけること」をモットーとしてきた最近だったのにもかかわず、ひとばんじゅう後ろ向きな考えにとりまかれながら夜行バスで眠るともなく過ごして、朝まだ暗いうちに関東に着いて、電車に乗り換えてもまだぼんやりしていました。

でもそれが、ふしぎなことに陽が昇りはじめたら、気持ちがなんとなく上向いてきた。自宅のあるターミナル駅について、モーニングを食べに喫茶店に入って(椅子と大きなかばんを抱えたまま)、なんとなしに、かばんの後ポッケにいれといたグリーンウッドワークの本(イギリスでお世話になったマイクさんの本)を開いてみたらば。。。椅子づくりの今回の作業に関連するページをいつのまにか読みふけっていました。

内容は作業の工程を記したものなのだけど、マイクさんの文章を読むと、マイクさんの声が聞こえてくるかのようで。そして作業工程を記しただけの文章とは言えないような、余計な情報(?)というか、私的感情がてんこ盛りに入っている文章で、読んでいると元気がむくむく出てくるのでした。

もちろん技術情報としても有用で、「あ、そうか」と今回またやってみたからこそよくわかったポイントもあったし、じゃあ、次はこうしてみようかな、と思いついたりもいろいろあって、そんなこんなで喫茶店をでるころにはすっかり「次はあれをつくってみよう、そうしよう」となっていました。

なんだか自分、雑草みたいだ、朝日が出てきたら倒れてたのがひょいと起き上がり出すみたいな。。。こんなに自分、打たれ強かったけかな?ふてぶてしくないか?と思いつつ、そこそこ元気に帰宅しました。

マイクさんには、わたしが木工の下地があるかどうかとか、グリーンウッドワークを上手にやれるかどうかとか、そういうこととは関係ないところで、自分を受け止めてもらった感じが、なぜかしています。一番最初に、村の道端でガバッ大きなハグをしてもらったときも、最後の別れ際、駅のホームでぎゅーとハグしてもらったときも。。。マイクさんが両手を広げてくれたときの、あの、なににもせきとめられていないようなオープンさを思い出すと、安心するし、なんか泣けてくる。

あのとき、誰よりも長旅をしてはるばる南アフリカの離島からマイクさんの森に来ていたリズさんという女性は、「マイクがここでやってるのは、みんなを改心させるってことだね。ただ椅子のつくり方を教えているんじゃないね」と言ってたけれど、なるほどそうかもと思う。自分もあるていど”改心”されちゃったんだろうなと思う。

木が、森が、森の夜、森の朝、森の生きものや空気が、さらに好きになっちゃったし。ひとりでやることと、人と一緒にやることの、両方の楽しさを知ったし。。

20160110_105323 今回の岐阜の講座では、小さい径の木でも椅子がつくれることを教わって、木に寄り添ったものづくりをスモールスケールでやっていくことの可能性がさらに広がって、うれしい。今はなるべくおおがかりにならずに、自分の体を基準にした「手に負える範囲」でやっていきたい、という願いがあるので、そのための大きなヒントになりました。

20160110_112634 あと、南京鉋への苦手意識を越えられたし(南京鉋の左右で刃の出し方を変える調節方法も教われたし)、ノコギリにもっと練習が必要なこともわかったし、マンリキ(へぎ鉈)で木割りするのが大好きだと改めて体感できたし、マンリキをひざをテコにして使うやり方を覚えたし、削り馬の上で左右にテコをきかせて材を固定するやり方を覚えたし、蒸し曲げの箱もお鍋も小さくていいことを知れたし(蒸し曲げ用の箱であんまん・肉まんが一度にたくさん蒸せて楽しかったし!)、20160111_152108 座面に綿テープを使うすてきさや竹を釘がわりに使う良さがわかったし、いろいろ学びがありました。

作業が遅くてみなさんをお待たせしたり、みなさんのように片づけやお手伝い事がスムーズにできなかったり、いろいろNGな部分が多くて申し訳なかったけれど、参加させていただけたことは、ほんとに感謝しています。

とりあえず、しばらくはお風呂で筋肉をもみほぐして、筋肉痛から回復せねば。。。

20160205_060508 PS 今回の岐阜行きでは、到着直後のモーニングに入った喫茶店では、小鳥のカップ&ソーサーでした。前回はいちご柄だった。ここのお店の人は、お客さんの好きなものがわかるんだろうか。。。

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