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2016.03.07

春の雨と涙

20160304_112242 クロッカスが咲いています。今朝は、涙がいっぱい出て、ひさしぶりにほっとゆるみました。

ずっと、張り詰めていたものがあったみたい。相方からは、「言葉に勢いがあって怖い」「怒らないで」などと言われていたこの頃でした。自分でもなぜかわからないけど、焦燥感に襲われていて、ティーンのころから繰り返している「ザ・ストレスフルな夢」No.1の、飛行機に乗り遅れそうになる夢を見たり、あとはここしばらくは、なぜか、さまざまな猫が夢に現れていました。顔見知りでない猫たち。今朝もうすいグレーの無地の毛の自由猫がいて、掃きだし窓を大きく開けて、家の中に入ってもらう、という夢でした。

思えばこのところ、仕事もチャレンジの多いもの(訳出に工夫の必要のもの)が続いているし、あとは、春の雨が多くなる前に、家の外壁のペンキ塗りをしなければ、とずっと焦っていました。

20160227_121236_2 ペンキ塗りは、何をどう塗ればいいかさえまったく手探りだったせいもあって、素地を整える作業を始められたのは、暦の上でもすでに雨水を過ぎてしまった2月25日。。。何日もかけて、ウッドリバイバージェルという、灰色化した木材をよみがえらせるジェルを塗ってブラシでこすって洗って、素地を整える作業を、もくもくとやりました。20160226_152607大変だったけど、ひとかわ剥けて、みずみずしいもとの木目が現れるのは、楽しかった。お化粧直ししたみたいになるのです(写真の一番左のパネル以外は、作業が済んだところ。明るい色になって木目もあざやかになるのです)。そしてようやっと先日、塗料を塗るところまでこぎつけました。

(塗料はペンキというよりは、オイルステインみたいな自然塗料で、塗った後も木は呼吸を続けられるタイプのものです。中に浸透して耐候性を発揮するんだそうです。お世話になっている岐阜の森林文化アカデミーの、学校説明会を最初に聞きに行ったときの東京会場が、その塗料のメーカーのショールームだったのと、森林文化アカデミーのすばらしい木造校舎がみんなそこの塗料で仕上げてあると聞いたのとで、そこの塗料に決めました。オスモというメーカーです。メーカーに電話でお問い合わせをしたら、サンプルを送ってくださり、今の壁の状態を細かく尋ねたうえで「これを塗って大丈夫です」と教えてくださり、よかったら現場を見に行きましょうか、とまで言ってくださって、とても丁寧に対応してくださいました)。

20160226_103429大家さんは、ファンキーな方だということもあって、外壁に塗り直しが必要だけど、何を塗ってもいい、色も好きなようにしていい、失敗してもいいです、とおっしゃっていたので、はじめはわたしもごく簡単に考えていました。ホームセンターに行って透明なニスでも買ってきて塗ればいいのかな、雨さえはじけばよいのだものね、と。でも少しネットで調べていくうちに、家の外壁の塗装はそう簡単に考えて素人仕事をしてはいけないらしいことや、木の壁にとって何がハッピーそうかがわかってきて、うんと慎重になりました。

慎重になると同時に、プレッシャーも半端なかった。。。サンプル塗料を試し塗りして色選びをして、面積を測って計算して、作業手順を考えて、どんな場所にどんな養生が必要かを考えて、実際の作業日程を考えて、道具を集めて。。とやっていくなかで、どんどん大ごとになっていき、失敗はゆるされない、とまで思うようになっていました。古いとはいえ、借りているおうちで、だいすきなおうちだから、万一自分たちが引越さなくちゃいけなくなっても次の人に気に入ってもらえるようにしておきたい、と先々のことを思うとなおさら。

素地を整えてから、塗料を塗るまでの間に雨が降ってほしくないし、塗料も2度塗らなければなので、1度塗りと2度塗りのあいだや、2度塗りした後しばらくは、雨が降ってほしくない。。。なのに、素地を整える作業が思いのほかタイヘンで、何日もかかってしまって、もたもたしてるうちに、予想通り雨の多い季節になってしまったことも、大変さに輪をかけました(涙)。

一雨ごとに暖かくなって春らしくなってくるのは、いつもは歓迎したいことなのに、ペンキ塗り作業の今年は雨の予報を見るたびに気持ちがずん、と沈む始末。

20160304_112303 でもなんとか2.5日は晴れが続きそうだった先週終わりに、ようやく一番劣化の激しかった東の壁と北の壁の一部は、なんとか塗料の2度塗りまで終えました(写真はそのときの途中経過)。

ようやく全体の1/4くらい終わった感じです。そして今日も雨。残りは、もう乾燥した季節のあいだに一気にやるというのは無理かな。。梅雨入り前までに、天気をみつつ気長にやるしかないのかな、と思い直してします。自分の精神の健康のためにも、そうしないといけないかも、と今朝の涙とともに思いました。

仕事のプレッシャーに、季節とのおいかけっこも加わって、とにかくいつも追われているような気ぜわしさでした。こうして自分の感じてることを「書いて消化する」という作業もずっとしたかったのに、そんなの書いてるひまがあったら仕事をしないと、とずっと思っていました(実は今も少し思ってる)。

でも無理して仕事に自分を追い込んでも、精神のコンディションがいまいちだと、言葉の出も悪くて、遅々として進まず。。。それでもそこを押してがんばって、長時間画面を見続けて目からは涙が出てくるし、長時間椅子に座りつづけて腰がしんどくなるし、ごはんを作る時間ももったいないから適当なものをかじりながら翻訳作業を続けるしで。。さらにコンディションは悪くなる一方だったみたいでした。つらさのなかで家族に当たっていたみたいでした(無自覚でした、自分はつらさをわかってほしかっただけでした)。

極まって反転するところまで、落ちていかないといけなかったのかーと思うと切ないけれど、そんな感じだったみたいです。ほんとうにせっぱつまって視野狭窄が起きていたなーと思う。「これをやらなくちゃいけない、はやく」というふうに一点集中して頑張り続けてしまって、ほんとうにいけなかったなあ、と思っています。

仕事は人為的な〆切とのせめぎあいだけど、ペンキ塗りは季節という自然のプロセスの進行とのせめぎあいで、自然が相手だと、なおさら不可逆的なのでせっぱつまるのでした(ペンキ塗り以外にも、おとなりさんに剪定していただいたセンダンの枝が乾きすぎすぎる前にいろいろに活かせる形にしてあげないと、とこれも、季節&時間とのせめぎあいになっていました)。

焦るなかで、ないがしろになることが、いろいろにあったな、と思う。家族への思いやり、自分の精神のコンディション、季節のめぐりへのリスペクト、家(&外壁)やセンダンの枝たちの声を聞くこと、などなど。

20160304_112153 クリスマスローズのあとにクロッカスも咲きだして、気温も上がってきて、雨がたっぷり降るようになって植物のみなさんにはうれしい芽ぶきの気節。

涙が出てくれて、自分の中にも雨が降って、自分の中の草木も一心地ついてよろこんでいそうに思う。走り続けていたのを、やっと立ち止まって、仕切り直せそうな今日です。

大好きなことほど、不安をもったり焦ったりしながらやってしまうことは、したくないな、とふかぶかと気づきました。これからは、不安になったり焦ったりしなくてよくなるようにできるだけ工夫しようと思う、そのためにやれることはやっていこうと思う。家の壁塗りも、生木の木工も、家族との暮らしも。

「心」が「亡」くなると書いて「忙」という字になること。ネット上の情報は不安になりやすいものも多いこと。そこを覚えておけるといいなと思う。考えたり感じたりさえもできないくらい時間に追われてる、不安に覆われてる、みたいになっちゃってるときには、早めに気づけるようになりたいな。

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