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2016.12.17

すごい喫茶店

今朝、夢に、亡くなったねこの(にゃ)ちゃんが出てきました。出てきたというか、ほぼ、もうそこにいたというか。わたしの左手をなめて、すりすりしてきてくれました。懐かしい感触でした。

そういえば昨日の夢にも、虹の橋の向こう側の人が出てきた。フリー編集者時代に上司だった、写真編集者の(に)さん。相方と、もうひとりと、(に)さんと、4人でどこかで食事をしていたのだけど、甘いものを注文してしまって、(に)さんにはなにか別のものを頼んだほうがいいな、と思っていたのだけど、当の(に)さんは黙って静かにわたしたちの向かいの席に座っていて、食べることについては特に何も意に介していないようでした。

あちら側の人とこうして2日連続で会えると、なんとなく不思議な気分になりますな。

不思議な気分といえば……。

こないだ、旅先でたまたま入った喫茶店3つ。どれもすごくてびっくりしつづけたのでした。1軒目は、表に「日本一の喫茶店」と書いてあったので、なんでかなーと思って入ったらば。マスターのおじさんが、発明家というか研究家というか、すごい人でした。自分で考えてつくった、コーヒー豆を中に入れておけるスピーカーで、豆にモーツァルトを聞かせていて、それを挽いて淹れてくださるのだけど、これが体にするりと、抵抗感ゼロで入って行く、すごくおいしいお味で。20161211_111052 どんなに特別なお豆を使ってるんだろうと思ってきいたら、「豆?普通の豆だよ、Key Coffeeのトラジャ」とのこと! 

  あと、この喫茶店の場所は、東からのぼった太陽が鹿島神社の上を通過し、富士山の上を通過したあと、高千穂の上を通って西へ沈む前に通過するポイントだと教えてくださいました。おじさんは日本文化の始まりについて研究もしていて、論文も発表してらした……。今も研究は続いていて、そのために各地の郷土史を集めていらっしゃいました。地道な研究の仕方だなあと思った。

15326620_10211329626855355_29126577三河湾を見渡す景色もすばらしくて、いくつもの島と4つの半島が見渡せた。パノラマが広がる窓に向かってテーブルにつくと、ちょうど目の高さに水平線があって、それがまた心地よさの秘密だとのこと。あと、モーツァルトを「子宮で聴ける」椅子もあって、座ってみたら、これは確かに今までにない音楽体験でした。。。

20161211_110532 店内の内装も、全部おじさんが一から自分で手掛けたとのこと。でも手づくり感が前面に出るわけでもなく、空間全体はほどよくなじんでいて、センスがよいのでした。特にトイレがすてきでした。トイレの扉の取っ手は朱塗りのお椀。これは天皇陛下のいとこの結婚式の引き出物だったそう。そうとういい漆器なんではなかろうか。

テーブルも椅子も廃材からすべて手作り。この椅子がまた、シンプルなつくりなんだけど、座り心地がよかった。。そしてカウンター向こうの壁にたくさんしゃこ貝の貝殻がつけてあって、昼間だったからただの飾りかと思っていたら「あれはね、ライトなの」と言って、スイッチを入れてみせてくれました。20161211_110706

おじさんと話していると、どうも父と話している感じと似ているな、と思ったら、父と同い年でいらっしゃいました。しかしほんとうに元気はつらつで。お歳をうかがってびっくりしました。

2軒目は、喫茶店難民になりそうになって、寒い風の中歩いていて、ようやくあった喫茶店。全面窓ガラスで、窓辺の席でマスターが本を読んでいて、ほかにお客さんはいなかったので、「やってますか?はいれますか?」と聞くつもりで、「×?」「○?」と腕でジェスチャーしたら、すごく人懐こい感じで「おいでおいで」の手まねきをしてくださったので、入りました。

20161211_175431 店の外には「JAZZ」と書いてあり、黒が基調の内装で、渋そうな喫茶店だったのだけど、入ってみたらば。JAZZが流れていないばかりか、音楽などない無音空間。そしてマスターはコーヒーを出し終るとまた窓辺の席での読書に戻り……。カウンター席の上に大きなボードがさげてあるので、よく見たら、般若心経でした。

お会計の時にレジ脇に「役の行者」と書いた文字といくつかのグッズがショーウインドーに入ってるのに気づき、たずねてみると、そのショーウィンドーの照明スイッチをパチッと入れて、「実は自分は山伏で、3代目なんです、祖父の代から」と水を得た魚のように話し出されました。般若心経のボードも、修行の一環で自分で手彫りしたとのことで、ショーウィンドーの中はほら貝をはじめとしたさまざまな山伏グッズが陳列してありました。窓辺の席で読んでいた本も、修行に関する本だったのでした。

「人間わるいことはしちゃいけないね」と人懐こい笑顔でおっしゃるので「悪いことしちゃったんですか」と聞いたら、「そう、悪いことしちゃったの、それで今はこの道に入ったんだよね」と。お店を出る時には「いいご縁でした!」と言って見送られ、不思議な気持ちに。。

20161211_183336 3軒目は、ナマケモノのイラストがロゴになっている小さいカフェで、たたずまいとナマケモノの絵にピピッと来て入ったら、カウンター席だけの小ささなのに居心地の良さは200%な良質空間でした。豆はすべて自家焙煎。どんな感じが好みか言っていただければ、こちらでお選びしますよ、と若い女性のマスター。カウンターの前にはおもしろそうな本がずらーりとならんでいて、本の合間合間に30㎝四方くらいの穴が開いていて、お水や珈琲はそこから供されるのでした。

背後にも棚があって、選りすぐりの雑貨と、あと「100円文庫」というのがあって、古本を販売していました。100円文庫のラインナップもおもしろくて、地方のミニコミ誌みたいなのや(しかもこの近くの土地のものでないものばかり)、マニアックな本なども。なんと、以前から気になっていたミニコミ誌「野宿野郎」も1号から4号まであった!ので、もちろんいただいてきました。

この喫茶スロースというお店は、2階がギター教室だったのは気づいていたけれど、あとでホームページからブログをみたら、喫茶店の始まりのお話がおもしろかった。だんなさんがギター教室の先生で、教室の生徒さんがくつろげる喫茶スペースをつくりたいと言い出したらしかった。でも、奥さまである現在の女性マスターは、最初、猛反対していたのだとか。

つまり、彼女は「そもそも喫茶店を経営するなんて考えてもみなかったし、私にはまったく向いていないと思ったんです」だそうです。やる気はなかったけど、やってみたら、だんだんとおもしろくなっていた、ということのようでした。今は「・・・みんなカフェ、やってみるといいと思いますよ。こんなに嫌でしょうがなかった私でも、いまではとても楽しいですから」とのこと。この喫茶店も、内装からすべておふたりで手造りされていったみたいです(手探りですすめていった記録がブログに残されていました)。ほんとに、すごいとしか言いようがありません。

喫茶店てほんとうに、いいものですね。そして特に東海地方の喫茶店文化は、ディープです……。

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