海あそび・2/平成の装い
<海あそび・2>
海は水着を着たまま行く
浜についたらすぐ波間へ
今日も海水浴です
ほんとにお風呂に入っているみたい
どこまでも広がる大きなお風呂
波がおだやかだったら
ひたすら波間に寝転がる
仰向いてプカプカ
入道雲ととんびを見上げて
太陽を全身にもらうんです
海はみんなとわけっこする
波うちぎわから波間まで
今日も海水浴です
一緒にお風呂に入っているみたい
波乗りのウミネコ、跳ねるお魚
すっかり涼しくなったら
のんびり砂浜に寝転がる
仰向いてウトウト
帽子を顔にのっけておいて
そよ風を全身にもらうんです
着替えはちゃっと浜でする
砂が熱かったらすぐ水辺へ
今日も海水浴です
一緒にお風呂に入ったときみたい
ほら、とパンツを見せてくれる友
うっかり見せてもらったら
フルーツみたいなすこやかさ
宙を見てクスクス
足を砂だらけにしたままで
友情を全身にもらうんです
(8月21日、鵠沼海岸、(ゆ)ちゃん、(じゅ)ちゃんと)
+ + +
<平成の装い>
ああ。こうやって時代から
あぶれていくんだろうな
と、やけにずしりとした実感を持った
世の中の流れ、のようなものの行く先を見ていて
ああ。ついていけない
ついていく意味がわからない
資本主義の果て?
愛の定義の謎が深まる
すべてがエクスチェンジの上で成り立つ世界
それは実像に近いんだろう、きっと
でも最近よく視界がかすむ
残像のようなものが見えていて
そのダブルに重なっているもう1つの輪郭と
この世の輪郭とのあいだの
ぼんやりぼやけた領域
そこに憩う。。。
あの隙間
有元利夫さんの絵に描き込んであった
自由に泳げた
あの隙間
21世紀かあ
光の明滅を眺めているだけのこの頃
幸せの定義の果てしなさに
声をなくしていて
切り刻まれた現実で
消化不良を起こして
商品のようにきれいに並ぶ
他人の記憶の色鮮やかさに
感心することしきり
カラフルなのが好きだし
軽やかなのも好き
なのに自分はどんどんあおざめて
どんどん重たくなってくみたい
時代の空気に浮かんでいようと
なるべく軽やかでいようと
明るいほうを向くのだけど
じわじわわけがわからなくなってくる
「頭で考えるのをやめて、感じるんだよ」
というアドバイスをありがたくもらって
ぼんやりと思考を停止する
そうやってさらに暗く影みたいにあおざめて
最後の悪あがきみたいに
なぐり書きを書き連ねるだけ
キラキラ明滅する四角い世界に
弱い毒をたれ流すだけ
この全部から離れたところに
手つかずの健やかさがあることを知りながら
限界がきしむ音を聞きながら
平成を装ってるだけ
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